Imaginantia

思ったことを書きます

日記 240412

おひさしぶりです。なんとなく書きたいことがあったので書きます。

順列都市 (グレッグ・イーガン) を読みました。

あんまり周りに読んだことある人は居ない気がするので、内容の話はそんなにしないでおきます。でもとりあえず、私はこのタイトルがとても好きになりました。

 

この本を知ったのは…「」です。つまり4年前ということですね。その時買ったわけじゃないのだけど、なんとなく思い出して買ったあと、ずっとKindleに放置されていたのでした。

なんとなく HashLife を作り始めたことで思い出したのです。いや、逆だったかしら?*1

最近は電車に乗る頻度が高くなってたこともあって、ちょうど良かったのでした。

 

おもしろかったです。一番おもしろかったのはある単語たちが気になって頭の中でくるくる回していたときに"気づいた"瞬間かな。その次は「次のページから何が始まるのか」を期待してページめくりをしたタイミングでした。

いえ、本当にこれは中身の話なんです。ちゃんと中身は面白かったし、それを補強する外見が良かった。

なんとなく感じたのは、読んでいて「私達の言語」が出てくることがあって…セル・オートマトンの動作の様子の描写とか。そういうの、私は鮮明に想像できるんですが、そうじゃない人は逆に「なんか不思議なものがあるんだろうなあ」くらいの認識なんでしょうね。

だから私にとってはすごく読みやすいと思った箇所が、多分大多数の人類にとっては最も難解な記述になっているのです。とても面白いことですね。良い悪いではなく、これは面白いことです。

加えて、そこから私は「どこまでが事実で、どこまでが空想か」の区別がかなり精密に出来るのですが、きっと大多数の人類はそれができないことでしょう。例えば私はこの物語の「本題」が科学的に正当であることを否定できませんが、大抵の人は空想だと最初から割り切って小説を読んでいるのです。

だから、科学を知っている人であればそういう人であるほど、真実味が強く、興味深い読み方が出来る文章になっているのだと思います。まぁ、要は著者の趣味ですね。

まぁだから、「庭」からこの本に辿り着いたときは「ただの buzzword 扱いじゃないの?」と思っていましたが、実際には当然その背景説明などが全て記述されていたので、文句を言う箇所は一切ありませんでした*2。小説らしい「誇大解釈」されているのも、もちろん楽しいポイントです。

 

それはそうと、作品っていうのはやっぱりこうあるものだよな、ということを思いました。不思議なことに私にとって小説の構造とゲームの構造はかなり似通って感じているようです。

一番大きいのは、ページめくりのタイミングが「自分が読み終わったとき」即ち「自分が納得したとき」即ち主観に基づいた判断に拠るからだと思います。

主観を失わない媒体を久々に観賞できて、私はとても楽しかったです。

またなんか読もうかな。

おわり。

*1:これはどちらも嘘で、真実は alg-dさんの動画 を見たからです

*2:人々がその説明を理解できているのかは知りませんが