3年前に書きましたが、もうちょっと普遍的に、簡素に書けそうと思った。
感覚とは、フィードバック (を含む) システムである。
「VRで (質量の) 重みを感じたい」という人は多く居ると思うけれど、そういう人は概ね「重みという概念が何故あるのか」については考えていない。
VRでの制作というのは概ねこういうところにポイントがある。
手に圧力センサが入っていることによって私たちは重みを感じられるけれど、では何故圧力が測れるのか?何故物体を触った感触が必要だったのか?
それは、その感触がないと「物体をどう動かせばいいかわからない」から。このままだと落ちる、ということを知覚できないから。
その情報に従って手に込める力を変え、意図を全うする。ここまで含めてシステムである。
センサはその目的がなければ意味がない。
思い返すと Star Wand の時点でVRには「重み」があった。
それはやはりフィードバックシステムになってるからだろう。手が動くと点が遅れて動く。その遅れが重みになる。
感覚を再現する1つの方向性としてそういうインタラクションのディレイがあるとは思っていたけど (桜井さん も言ってる)、さらに言えばこれは「システムの応答」という話なんだろうと思う。時間に限る必要はない。
で、これは「質量」という概念と同じだ。これは力を加えたときに加速度がどれくらい掛かるかを示すproperty。
行動に相当して現象が発生する。
対人でもこれはそうなんだけど、特にその場合は確かに学習としての性質が強くなる。人はブラックボックスだから。
そういう、外界との相互作用というものが感覚を生み、実在感を生む。