Imaginantia

思ったことを書きます

日記 230123 B4について

Sanrio Vfes 2023 の感想を書きますが、感想というよりもどちらかというと「私にとっての見え方」について書くことになるかなと思います。まぁそれを感想と言うのでしょう。

B5の話は書いてもしょうがないので (盛り上がってることが全てなので)、B4 メインで書きます。ついでにパレードも入れます。つまり「VRっぽいやつ」です。

色々と楽しく面白かったです。本当に。この先がとてもわくわくです。

全体的な話

各々個性がありますが、「あるもの」という観点で興味深いものを挙げてみます。

  • キャラクター・注視点
    • beyond a bit が特殊かな?
  • 音楽
    • 全部よかった
  • 全体を通した物語性
    • 読み取り方にも依るところはありそう
  • インタラクション
    • これは深い話なので各々で紹介
    • ちなみに私は inter-action (相互作用) として捉えています (それが実存性を高めるので)
  • 場面転換・破壊
    • 文字通りをやっているのが TORIENA with BC・beyond a bit
    • 分解・再構築をやってるのがキヌさん
  • 注意事項
    • これも個性あって面白かったですね (約束さんの注意事項が丁寧すぎるくらい丁寧でびっくりしました)
  • 予告映像
    • Musical Treasure Hunt が強すぎた感ある (ちゃんと本編を見せたままで期待を煽るのがうますぎる)

この辺の話を細かくやるのはとりあえずやめて、まぁ各演出についていろいろと書いてみます。

Musical Treasure Hunt

とりあえず曲が良かった。0b4k3 さんの曲の「positive でも negative でもない感」がめちゃくちゃ好きです。「存在」に対する態度としては素晴らしいというか、強制の無さというか。

こちらに関してはキャラクターのパワーがすごいのでまぁワープマシンとかね、急に出しても許されるみたいなところありますよね。キャラクターの強さというのはそういうものですね。キティちゃんは次元が違いますが。

物語…というか台詞?にはちょっと気になる点がいくつかありますが、まぁそんなことよりも楽しもうね感もあり。野暮になるじゃないですか、「健気」だと。

「対話で話が構成されている」ことも大きくて、一人の語りだと「ほんまか?」っていう思考をどうしても避けられないと思うんですが二人で納得しちゃってたら「ああそうなんだね」ってなりますよね。現実でもそうですよね。

 

こちらのインタラクションとしては「いわゆるもの」が1つ、「おもしろいもの」が1つありました。

まずミラクルハートライトですが、とりあえず振ってるだけで楽しい。これは体を動かすと楽しいに近いのかな。継続して振るモチベーションが世界にあるのでずっと振っててずっと楽しい。

「ハートライトを振って参加して!」というのはいい言葉ですよね。「力を集めて!」とかだと「私たちには何かが出来る」ということを暗示する (ので、それに相応する因果を拾ってこないといけない) わけですが、「参加」だともう純粋に楽しく振っていることだけで成り立ちます。

まぁ「振る必要性はどこにあるのか?」という疑問を考えたときに「ないかもしれないけど、一緒にセッションしよう!」っていう回答になるわけで、それはある意味で「救い」なんじゃないでしょうか。

他の部分は基本的に「ユーザーからのインタラクション」はありませんでしたが、元々ショーですし、わかる、という気持ちです。見ていて楽しいのが一番。フロートにも近づけるので言うことないみたいなところありそう。

 

さて、おもしろい「ワールドからのインタラクション」としてあったのが「怖い木々が自分たちの居るところに侵入してくるところ」です。

穏やかにフロートを眺めてたら、なんか視界に知らないものが入ってきてびっくりする。暗い雰囲気になってきたけどそれでも継続して明るい歌が聞こえる。だいぶ「不穏さ」の表現としては絶妙なんではないでしょうか。

同時にこれは「フロートにもっと近づいても良い」ことを示す要素にもなっていて、これまで遠目に眺めていた人々が一気にフロートに近づいてちゃんと見られる、というのは良いなと思いました。

なかなか動けないじゃないですか、始まるともう定位置みたいな感じにもなっちゃうし。だけどそれを明確に否定することで「もっと動いても良い」ことが伝わる。主観性を取り戻す。

小さな要素かもしれませんがとても大事だったように思えます。

サンリオキャラクターズ Special Live

さて、B4 1日目の順番で書いていきます。が、まぁこれに関しては「最も素直なライブ表現」というところですよね。想像以上はないけれど、キャラクターをちゃんと見たい人には最も良く見える。

私はそこまでサンリオキャラクターズについての感情はないんですが、まぁ普通に好きなキャラがただそこに立って (演出無しでも) 歌ってるだけで普通に (普通が故に) めちゃくちゃ感動すると思います。

それは「ハレのVR」ではなく「ケのVR」という意味でね。どちらもあってこそではある。

TORIENA with BC

こちらは本当に見たいものをやってくださいました。もうね、始まる前から「どう壊すんだろう」って考えてました。そうくるか~~~~ってなった。嬉しかった。

演出としてのインタラクションはありませんが、なんかもうああいう曲ははしゃぐしかないということがまぁよくわかるので、はしゃいでました。当たり前ですけどこういうのは眺めているよりはもう自ら突っ込んで行ったほうが楽しいですよね。

文字通り「破壊」してますが、ちゃんと丁寧にやってたのが良かったですね。というのは、壊す前に「これから何かが起きる」ことを明確に表現していたと記憶しています。最初はまぁアレしかない (元々注視点がステージなのでそのままで大丈夫) として。天井を壊すときにはそれを示すし、視界ジャック掛けるときにも予告がありました。

観客としてはまぁこんな広い空間、どこを見ればいいのかわからないので。そういう「パワーの裏にあるやさしさ」がとても大事だと思っています。

大TORIENAさんの LipSync があると良かったかなって思ったけど、まぁ破壊担当ということなら言う事はなさそう。

大破壊からの一転して穏やかな2曲目ですが、まぁなんというかこう。綺麗に出来た「パーティクルライブ」なんだろうと思います。作るの大変そう。

個人的に (本当に個人的に、ですが) 「歌詞を表現すること」に対してあまり納得がいっていない (他全てに対してそう) 気持ちがあるのであまり言えることがないです。でも丁寧さは感じました、構造は同じだけど1回目2回目で演出として意味を変えるみたいなところとか。

beyond a bit

こちらは色々と「興味深い」と思ったパフォーマンスでした。他に対して色々異様なので。例えば「注視点としてのキャラクターが居ない」「世界を丸ごと切り替える」「インタラクションの無さ」そして「間の長さ」とか。

あまりにも違うので見方自体を変える必要があって。思うのは「ああいう生物たちに対する (良い意味での) 畏怖」みたいなものが根底にあるのかなと。それがそのまま「私達観客の居なさ」につながっていそうで。

全体的に、観客の都合を気にせず動いている印象を受けました。何かを期待させるには長すぎる間と、知らない間に壊されてる床、さらに巨大さとか。私達にはどうしようもないスケールの風景を「見させられている」状況に見えます。

そう捉えると時たまのグリッチも「映像が乱れています」的な感じで解釈ができるのかしら。

これはこれで納得はいくものですが、「VR演出」という観点で見ると少し物足りなさがありそうと思いました。逆に言えば未だ知らない人に見てもらうにはすごく良いコンテンツでしょう。

この方向性の差はやはり EstyOctober さんの作家性から来るものだと思います。いろいろがあって良いですね。

あと曲も綺麗で楽しかったんですが演出側でもう一歩踏み出せるところもいくつかありそうだと思っていました。どうしてももう少し「予測」が欲しくなってしまいますね…。曲的にも予測しにくい音だった (ように感じた) のもあって、それが「主張の強さ」に繋がっていたと思います (これはワールド側のコンセプトと合致しているようにみえますね)。

追記: 記事書いたときにはちゃんとした言語化ができていなくてなんだか筋の通らない言い方になってましたが、「曲も演出も比較的自由に動いていた ("ワールド的"な印象)」「が、曲の雰囲気が明確に変わるタイミングについてはもう少し演出側での強調・予測の提示があっても良かったように感じた」という感じだとおもいます。

memex

カーソルが出たところで「あ~やってんな~」ってなりました。結局今回そういうタイプのことをやったのは memex だけでしょうか?

追記: キヌさんにも少しありましたね (複雑性は下がりますが)

すごい悪い言い方をすると「これだけのことをでかい言葉でやるのはなんだかな~」という気持ちがあるんですが、でも曲が良いので良かったです。

なんかこう。ああいうトリッキーによって「演出」としてどれくらいの「意味」があるか、というと私はあまり大きくないような気がしているんです。例えば去年のキヌさんのライブで「拍手」ができたけれど、してない人が多数であろうことと同じで。

つまり曲はもう流れとして完成している以上、観客は (自分たちが action するにしても) そこまで「何かを変えた実感」を感じることができない、と思うのです。(追記: "別の未来" を感じ取れるほどの体験を1度ではできない、気がする)

なのでそういうタイプの Interactivity には私は今のところ懐疑的です。

ただ少なくとも今回は、「人数が多いか少ないかで明らかに音の数が違う」ということはわかったので、まぁ意味は 0 ではなかったと私は思いました。

 

それはそれとして、多分ビジュアルをもうちょっと詰めるだけで結構変わる部分がありそうで。端的に言えば「私はルールがわかっていなかった」です。

「カーソル位置から音が出る」こと、そして "Distance Describes Devotion" という名前から「ステージとの距離に意味がありそうなこと」は推測しました (実際にステージに近づくと自分から鳴る傾向が増えることを確認しました) が、「波が人と衝突している」という関係性、また「4小節で元に戻る」という機能を私は理解できませんでした。

インタラクティビティの1つの面白さは「仕組みの理解」だと思います。そしてそれを促進するのがビジュアルです。例えば今回は波が人に当たったとき唯消えているだけでしたが、そこに機能的な関係性が存在するなら「何か」があってもよかったように見えました。

まぁ特にたった2回しか見れないですからね…。学習を重ねる時間が無いので、それでもインタラクションを成立させるには学習しやすくするしかない。私の個人の見解です。

それはそうとして、クオンタイズも結構学習の阻害要素としては大きそうかもしれないという気持ちがあります。純粋な「距離」ではない (外力によって距離関係が捻じ曲げられている) のでビジュアルとの関係性も失われています。

逆にクオンタイズをベースとしたビジュアルにすればまとまるのでは?と今思いましたが、細かいことは考えていません。ちょっと見た目が煩雑になる可能性もある…。

追記: 蝶が飛ぶ (離散的な状況の段階的変化の提示) のではなく、線を引く (2つの存在の間の連続的因果関係の提示) だけでも全然違うかなと思いました。個人的には「未来を表示」してもいいような気がしています。

好き勝手書いてますが、それでももちろん楽しかったです。そういうことがある世界はまだ数多くないですからね…。

そういえば時計の針は好きです。みんなタイミングあわせてジャンプして楽しんでた気がする。あと曲も良かったです。

 

あとトリッキーな (ワールド側からの) インタラクションとして「溺れる」をやっていたのも面白かったですね。これも見た目との整合性を取るのが大変そう…。

これ自体は私達に一瞬の驚きを与える効果くらいしかない感じはありますが「楽しさ」はありそう。このあたりは曲を素直に表現している様子でしたね。

ほんと (歌詞が明確にある) 曲を表現するって難しいですね…。なんかこう。なんかね。良い方法が存在しない感じがある。試行錯誤とかではなく。

 

大きく書くことはそれくらいでしょうか…。

色々 (一般的には) 不思議なことをやっているのを久々に観られて楽しかったです。これからも期待…

約束さん

とりあえず最初にましゅましゅが出てきて変な声が出ました。まじかってなった。

これは別の話ですが、私はそこまでキャラに愛着を持つタイプではないみたいです。が、こういうお祭りごとがあって盛り上がれるはずなのに「知らない」ことで盛り上がれないのは勿体ないと思ったので、Mashumairesh!! を (2年前くらいに) 結構好きになりました (好きになるようにした & 好きになった)。実際アニメは面白かったので良いです。実際良いです。

去年も B3 で見れてめちゃ楽しかったし今年も見れそうで嬉しい…と思ってたところに出てきたのでウオオオってなりました。びっくりしました。嬉しかったです。

始まるのかな~?って思ってた前に注意事項が色々細かくて面白かったです。これまでの「経験」をものすごく感じますね…。「Bloom の無効化を外して」とかそういえばそんなんあったな…って気持ちでした。

演出自体はなんだか「いつもらしい」感じの様子でした。パーティクルライブ文化の1方向を行くところまで行った感じがあって面白いです。Sanrio Vfes としてはぴったりだったのではないでしょうか…。

楽しそうで良かったです。

戊屡神ゆゆさん

こちらもオーソドックスなパーティクルライブスタイルという様子でしょうか。他に比べて短くはありましたがクロミちゃんが出てるのは"強い"ですよね。

キャラクターベースだとこういう (ポップな感じ?っていうの?) のはなんか似合っている印象ありますね。サイズ感的なアレなのかな。まぁ曲/演出に依るとは思いますがもちろん。

最後行っちゃうのは笑っちゃいましたけど丁度いいくらいのトリッキーでまぁ客層 (?) 的には良かったのかもしれないです。

もはや言わずもがなみたいになってるけどまぁみんな空間は当たり前のように「違う所」につれていきますね。そういえば。

キヌさん

全てが良かったですね。良かったです。最初の「宣言」も嬉しかったし最後の「宣言」も嬉しかったです。あと曲が良いです。

キヌさんは本当に「道具」の使い方が上手いのだと思います。いろんなものを1つにまとめあげる力です。

言ってしまえば「各々の要素同士の一貫性」はそこまで強くないのだけど、ちゃんとそれをまとめたものとして「演出」が顕現している。

多分この方向性が…あまり良くない言い方をすれば「コストパフォーマンスが高いやり方」なんだろうと思います。良く言えば「他に全力を出せる」即ちやはりです。

前回の voices を聴いたときに本当に強く思ったのは曲が強いと強いということです。今年も変わらず曲が強くて良かったです…もちろんそれらからなる全体構成も良かった。

バーチャルYouTuberのいのちが最後まで終わらなかったことにめちゃくちゃ感動しました。嬉しかった。

あと「破壊」が文字通りの破壊ではなく分解・再構築であることがとても嬉しかった…。気品のある破壊。まぁこういうのは必要性から自ずと発現するものだと思いますし、そうだったと思います。あのパネルのぐるぐるっていう動きがめちゃくちゃ気持ちよくて好きです。そういうのをね。もっと見たい。

 

キヌさんの「強さ」はどこなのか、ということを考えると「弱さ」なんだろうな、ということを思います。存在自体がそういうものであり、それによって話を聴かせる能力を得ている。演出的にも様々「弱さ」を感じますし、そう見てみるといろんなところでそれを感じます。

それが故に王者の風格みたいになってるのはなんだか面白いところですが、この環境がそれを続かせてくれることを願うばかりです。

 

なんかキヌさんの話だけ見方の軸が違う感じがしますね。でもこれは「演出」の面白いところでもあると思います。技術的に良くあることがそのまま良い演出になるとは一切限らないのです。

今回のキヌさんは元々のスタイルに加えて技術的にも音楽的にもいろいろが組み合わさって最強みたいな感じになっていますが、それでも演出の多くは「弱さ」の強調になっているように感じました。

良いですね。良いです。

 

えーもうちょっと細かいことを書いておこうかと思いましたが、わかる、みたいなのの連続にしかならないような気もします。

最初に「否定」をして、そこから誘導するのも良かった。前回も最初で遊んでいましたが今回の遊び方は流れ的に綺麗で良かった。

ワールドからのインタラクションは「地面へのトンネル」と「隔世」くらいでしょうか。そこまで大きな効果では無かった (背景が激しかったので近場に集中できなかった) けどやっぱりあるとなんだか嬉しいです。

細かいところで気にならないところが無いわけではない (例えばあるあるShiftJIS文字化けとか) んですが、キヌさんの場合はなんかその辺への突っ込みが野暮な感じありますよね。

総じて良かったと私は感じていました。まぁ特に最後のパネルの動きがやっぱり好きだったな…音にぴったりでした。

おわり

以上B4感想文でした。思ったことはもっといろいろあった気はするけど今出力する分にはこれで十分ではないかしら。

私もやらなきゃなあと思います。いつになるんだろうか。はやくやりたいな。