ちょっと前に話していて思ったこと。私は幾何学のプロではないので正しいかはわかりませんが。
また物体の回転の話なんですけど。私達の考える「物体」っていうのは、自由に空間内で回せることを想定していると思うんです。 「自由に回せる」っていうのはある姿勢から「回転」を施したときの結果が計算できるという意味です。
で、幾何学というのはこれによって空間構造が変化しないことを要請するのですね*1。 全ての姿勢は同等であるべきなのです。何故なら空間自体を回せば同じことなのですから。
だから、「或る回転」のことを本質的に区別してはいけないのです。
そして、それはすなわちX,Y,Z軸などに依存した回転は「正しくない」ことを意味します。 ある固定した直交軸を選択することは幾何学としては正しくない。
ここからEuler角の異常さが出てくるのでしょう。
それに対して正規直交基底も、Axis-angle representationも、Quaternionも、本質的には空間構造に依存していないことがわかります。 というのは、これらは任意の回転 (ここではある正規直交枠を与えること、ですね) を行った際に構造を保つからです。 構造を保つというのはその「もの」全体の成す空間を考えたとき、回転後にもまた同じ空間が出来上がることを言います。
2つの同じ空間の間を行き来する方法が存在するとき、そこには対称性があり、即ち群が生まれます。
逆に言えば「幾何学じゃない」ならEuler角は存在価値があるかもしれないということです。 モニターはX軸Y軸固定されているし、重力のある世界ではY軸が固定されています。 その上で考える回転は、Euler角で表現すると手軽なこともあるわけですね。