Imaginantia

思ったことを書きます

表現のための数学

表現のための数学 #5

続き。 3Dモデルのお話。 見えるものの表現 まず目的を「見えるものを表現する」ことである、としよう。ここでの「もの」は、現実世界にある3次元物体である (人体とか)。 表現するというのは、ある意味で「式で表す」ということであるし、「書き下す」とい…

表現のための数学 #4

続き。 長らく時間が開いてしまったけど、射影の話。 視点の生む空間 まず棲む空間をとりあえずおいてみる: としよう。ここで考えたい問題は、「一人称視点とは何か?」である。 視点としてある点 をとってみよう。とは言えどんな をとったとしても、空間全…

表現のための数学 #3

続き。 今回は数学よりも認知寄りの表現に関する、「重み」の話をしてみる。 動き 2秒で始点から終点へ移動するアニメーションが4つある。これらは全て異なる印象を与える。 点が通っている空間は全て である。では何が違うか。 物体の運動というのは本質的…

表現のための数学 #2

続き。 円が出来たので、折角なので回転のお話。 基底変換 空間を回したいと思う。回すって何だろうか。 を眺めていると「回っている」気がするけれど、今は点が回っているだけで空間自体を回しているわけではない。 では空間を回すためにはどうすればよいか…

表現のための数学 #1

続き。 目標であるところの三角関数に到達するために、まず が持つ「長さの構造」について考える。 内積 今までの議論によって区間 の形状はほぼ決定された。 「点の集まり」である集合が、連続性によって「つながった紐」になり、線形性によって「実数に沿…

表現のための数学 #0

頭の中で思った作りたいものを、実際に見える形にするには「表現する (Represent)」という作業が必要になる。 そしてそれをコンピュータで作るには、コンピュータが理解できる「表現 (Representation)」を構成しなくてはならない。 というわけで、思ったもの…